岸田首相の演説、有権者に響いたか 期待と不安、人事では不満続出

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 【茨城】地方からの変革、科学技術立国の実現、働く人への分配強化――。岸田文雄首相が8日、所信表明演説で新政権の指針を示した。有権者は首相の言葉をどう受け止め、間近に迫る衆院選ではどのような点を重視するのか。茨城県内の各地で聞いた。

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 「言葉に力がこもっていて、国のトップに立つ人らしさがある」。つくば市の大学3年生相沢慧(けい)さん(20)は、岸田首相の言葉が明瞭に伝わるという。首相の交代で、自民党へのイメージが良くなったと感じる。

 筑波大で工学を学ぶ相沢さんにとって、特に胸に響いているのは「デジタル田園都市国家構想」。高速通信規格「5G」などデジタルインフラの整備を地方から進め、都市との格差を縮めるという考え方だ。「理系の学生なので、選挙では、科学技術産業を手厚く支援してくれるかを重視します」

 首相は演説で「書きためてきたノートには、国民の切実な声があふれている」と語りかけた。この日の取材でも、生活への不安を語る人たちがいた。

 多くの人でにぎわう夕方のJR水戸駅。帰宅途中のトラック運転手井川純さん(47)は「市民すべてに、一律の現金給付をしてほしい」と訴えた。

 非正規社員の井川さんは新型コロナウイルスの影響で収入が激減した。緊急小口資金の貸し付けなどを利用し、借りたお金の総額は100万円に上る。経済的に困窮している人への対策に注目しているが、首相が強調する「分配」政策も、野党が訴える経済政策も抽象的に思える。

 通院のため、JR日立駅にいた北茨城市の菊池彰子さん(55)は、がんや腎臓病を患っており、老後の生活が不安だ。衆院選では、高齢者の生活資金のほか、具体性のあるコロナ対策に注目するつもりだ。

 岸田氏が自民党総裁選で「日本型のロックダウン都市封鎖)」の必要性に言及したことについて、「ロックダウンした後の支援があるのかが気がかり。飲食店だけでなく、その他の人への支援もしっかりとしてほしい」と話した。

 どの党に投票するかは、まだ決めていない。「政策の中身を聞いてみないとわからないけど、高齢者を大事にしてくれそうな人に一票を投じたい」と話した。

 美容室での仕事を終え、常陸…

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