宝塚・月組の風間柚乃、心を溶かすその歌声 初主演で迫真の名演技

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 宝塚歌劇の歴史にまた一つ、名作が刻まれた。10月7日に開幕した月組の「LOVE AND ALL THAT JAZZ」(作・演出 谷正純)。入団8年目の芝居巧者、風間柚乃(ゆの)の宝塚バウホール初主演作だ。

 ときはナチスの台頭する第2次世界大戦下。禁止されたジャズを愛し、懸命に生きるドイツ人ピアニストのルーカス(風間)は、ユダヤ人の娘レナーテ(きよら羽龍〈はりゅう〉)をかくまい、ドイツからパリ、カナダへと流れさまよう。

 その道のりで交わる、絶望に塗りつぶされた人たちと、風間は真摯(しんし)に対話を重ねる。さすがは実力派。「チェ・ゲバラ」(2019年)のカストロ役で、専科のレジェンド轟悠(とどろきゆう)と向き合った芝居心に磨きがかかる。歌声も伸びやかで、人生のほろ苦さも悲しみも溶かすような説得力にあふれていた。

 色合いを抑えた舞台には、全…

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