「わぁ」と歓声、6日ぶりに給水再開 和歌山の水管橋崩落

国方萌乃、下地達也、下地毅
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 和歌山市紀の川に架かる六十谷(むそた)水管橋が今月3日に崩落し、市北部の約6万世帯(約13万8千人)が断水していた問題で、市は9日午前8時半、各家庭への給水を再開した。隣の県道の橋に水路をうかいさせる仮復旧工事を24時間態勢で進め、断水から6日ぶりに水が通じた。

 崩落した水管橋は、川の南側にある浄水場から、和歌山市民の約4割が暮らす北側の地域への唯一の通水路だった。4カ所の配水池に水が送られ、そこから各家庭に水が届く。市は給水開始後は濁り水が発生しやすいため、飲み水としての利用はまだ控えるよう呼びかけている。また、多くの人が一斉に水を使うと濁り水の解消が遅くなるとして節水を呼びかけている。

 ただ、不便な生活を強いられてきた市民は、蛇口から出た久々の水に喜んだ。

 和歌山市狐島の主婦、砂村綾香さん(36)は、長女の杏樹さん(7)と一緒に水道の蛇口を開き、勢いよく出た水に「わぁ」と歓声を上げた。透明に見えたが、空のペットボトルに入れると、薄く濁っていた。

 夫と子ども2人の4人暮らし。フライパンにアルミホイルを敷いて魚や卵を焼くことはできたが、野菜などを洗うことはできず、おかずの品数が減っていたという。水が通じていた母親の家に1日1回、ポリタンク1個やペットボトル10本ほどを持って生活用水をもらいに行っていたが、4人がトイレを使うとすぐになくなる。砂村さんは「トイレにいつでも行けるようになるのがうれしい」と話した。

 和歌山市上野の湯川直樹さん(37)も自宅の水道の元栓を開き、駐車場横の散水用ノズルから水が出るのを確認。娘の紗名ちゃん(3)は「やったー。水出た」と声をあげた。妻の友衣さん(33)も「とりあえずひと安心」とほっとした表情を見せた。(国方萌乃、下地達也、下地毅)