総裁選、61年前と二重写し孫3人の悲喜 岸田首相が帰納すべき言葉

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日曜に想う 曽我豪編集委員

 保守政治家は帰納法でものを考えがちだ。演繹法(えんえきほう)のような理屈でなく、過去例から教訓を得て現在の最適解を探る。岸田文雄氏と話すたび、つくづく思った。

 首相として帰納したい過去例は自民党総裁選の旗印に刻印されている。「令和版所得倍増」も「丁寧で寛容な政治」も本家本元は、1960年にポスト岸信介の総裁選を制した池田勇人首相である。

 無理もない。岸政権を倒した安保紛争を巡り日本社会はまさに分断状況にあった。それに対し高度経済成長に向かう時流を「所得倍増」の4文字でつかみ、強権政治に対置して「寛容と忍耐」を掲げた。池田首相は就任から4カ月後の衆院選社会党に圧勝、「政治から経済」へと時代の潮流を転換させた、とされる。

 ただ、成功体験にのみ目を奪われるとかえって、現実を見失う恐れがあろう。

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