実刑を受け、全裸で殴打も 苦境の記者を世界で支援、国境なき記者団

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パリ=疋田多揚
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 今年のノーベル平和賞は、時の政権の圧力に屈せずに闘う2人のジャーナリストフィリピンマリア・レッサさんと、ロシアのドミトリー・ムラトフさんに贈られた。こうした弾圧などで苦境にある世界の記者たちを支援しているのが国際NGO「国境なき記者団」(本部パリ)だ。

 「記者団」を支えるジャーナリストは世界115カ国で活動する。記者団のまとめでは、取材活動が原因で昨年亡くなった報道関係者は54人。いまなお460人が投獄されている。

 今年8月、イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握したアフガニスタンでも、特に女性記者の活動を支援してきた。

 2017年3月7日、「記者団」は「アフガニスタン女性記者保護センター」を首都カブールに立ち上げた。女性を抑圧する旧タリバン政権下の風習が地方などに残っていたからだ。うたい文句は「女性記者による、女性記者のためのセンター」。開所式には当時の有力政治家も駆けつけた。「記者団」の支援を受け、5人の女性記者が常勤で働いた。

 毎年3月8日の国際女性デーには、勇気ある報道を成し遂げた女性記者を表彰。ジャーナリズムの教育や身の守り方といった講座も開き、これまで390人の女性が学んだ。報道によって嫌がらせや報復を受けた女性には、センターを避難所として提供した。

 ところが、「センターのウェブサイトは8月から消えてしまった」と「記者団」広報のポリーヌ・アデスメベルさんは話す。

 タリバン支配が復活し、身の危険を感じたスタッフは避難した。「タリバンに女性記者の個人情報が渡らないよう、すべてのパソコンのデータを消去せざるを得なかった。だからセンターは凍結状態。ホームページも閲覧ができない」という。

 ただ、いまもアフガンから報道を続けるのは、「記者団」と契約する3人の特派員だ。報道の自由をめぐる状況も本部に伝え、記者団が声明を発表することで、世界中に支援や連帯を訴えている。9月8日、カブールで女性のデモを取材した2人の現地カメラマンが警察で拘束され、殴打される事件を伝えたのもこうした「特派員」だった。

 香港、ミャンマー、中国……。「記者団」のクリストフ・ドロワール事務局長は「人権侵害を告発する人々への攻撃があちこちで起きている」と嘆く。

 そのドロワール事務局長は今…

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