「SNSで事実とウソが同様の扱いに」 平和賞レッサ氏が語る危機感

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ハノイ=宋光祐
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 強権的なドゥテルテ大統領に批判的な報道を続け、今年のノーベル平和賞に決まったフィリピンのネットメディア「ラップラー」代表マリア・レッサ氏(58)が9日、オンラインで朝日新聞の取材に応じた。「ソーシャルメディアの影響で、記者たちは犠牲を払わなければニュースを届けることもできない困難に直面している」と、報道の自由への危機感を語った。

 「まだ少し動転している」。自宅でインタビューに応じたレッサ氏は受賞決定から一夜明け、人なつこい笑顔を見せた。「ノーベル委員会が光を当てたのは、私でもラップラーでもなく、世界で自分の仕事を続ける記者たちだ」と続けた。

 レッサ氏は2012年、知人とラップラーを創設した。同社では今、約120人が働き、うち女性が6割だ。若いメンバーも多い。16年にドゥテルテ氏が就任後、容疑者の殺害を容認する「麻薬戦争」やSNSを使った政権による世論誘導の疑いについて批判的な調査報道を続けてきた。

 ドゥテルテ氏はレッサ氏を「犯罪者だ」と敵視しており、レッサ氏には名誉毀損(きそん)などこれまでに計10件の逮捕状が出された。

 「政権からの攻撃は女性記者に対して特に強く向けられている」と訴える。

 昨年、米国に住む母親が病気になったが、裁判所が国外への移動を認めなかった。両親は米国移住を勧めたが断った。「フィリピンでは多くのことが危機に瀕(ひん)している。私は記者の仕事を最後までやり遂げたい」

 いま最も懸念するのは来年5…

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