第5回衆院・千葉9区、与野党幹部が続々応援 「私の右腕」「大接戦に」

2021衆院選自民立憲れいわ

小木雄太
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 19日公示、31日投開票の衆院選に向け、各陣営の舌戦が熱を帯びている。千葉9区(千葉市若葉区佐倉市四街道市八街市)には与野党の幹部が相次ぎ訪れ、既に臨戦モードだ。

 千葉9区には、自民3期目の秋本真利氏(46)、立憲4期目の奥野総一郎氏(57)、れいわ新選組新顔の三井義文氏(65)の3人が立候補を予定している。

総裁選の「河野人気」見せつけ

 「私の右腕です」。8日夕、JR四街道駅前では、自民党総裁選に出た河野太郎広報本部長が秋本氏をこう紹介した。脱原発志向でつながる秋本氏を「自民でも5本の指に入るほどエネルギー政策を理解している」とも持ち上げた。

 2人はそろって野党共闘への批判を展開した。

 秋本氏と奥野氏の戦いは今回で4回目となるが、過去3回1万2千~2万8千票を得てきた共産が今回は候補を擁立しておらず、奥野氏の得票が上積みされる可能性がある。「争点は、安定的な自公政権か、政策を無視して全く考え方が違う共産党まで取り込んだ政権かだ」(秋本氏)、「自衛隊、日米安保天皇制はどうなるのか」(河野氏)と語気を強めた。

 駅前の広場に集まった聴衆は600人以上。10代の若者らが写真を撮ったり、演説後に選挙カー周辺に押し寄せたりし、総裁選の党員投票で県内・全国ともにトップだった「河野人気」も見せつけた。

 秋本氏は演説会終了後、「ここまで集まるとは」と驚きの表情。ただ、岸田政権での風向きは「菅政権と変わらない」と分析し、「河野内閣だったら支持率も間違いなくご祝儀相場だった」と悔しさをにじませた。今後も河野氏や小泉進次郎前環境相、菅義偉前首相を応援に呼び、支持を広げたいという。

野田元首相ら祝電

 奥野氏も6日、四街道市文化センターで決起集会を開いた。野田佳彦元首相や熊谷俊人知事が祝電を寄せ、安住淳国会対策委員長が会場に駆けつけた。

 過去3度、秋本氏に敗れて比例復活している奥野氏にとって、小選挙区での勝利は悲願だ。安住氏が「小選挙区で勝たないと良い政治家にはなれない」と力を込めると、会場の約400人が拍手で応じた。

 安住氏は、組閣後説明もないままの総選挙は議論が不十分だと批判。奥野氏も「新自由主義から富の分配への転換は岸田首相も言っているが、安倍晋三元首相がいる限りできない。野党しかできない」と訴えた。

 演説後、安住氏は報道陣に「共産系も含めて、リベラルの票は固まってきた。大接戦になる」と期待を込めた。奥野氏は「河野内閣だったら選挙はかなりきつかった」と吐露しつつ、「これまでの3回と違って私たちに逆風は吹いていない」とも語った。

 地元では、2019年の佐倉市長選、今年3月の千葉市議補選が保守分裂選挙となっており、奥野氏は片方の保守陣営の応援にも駆けつけた。「地方と国の政治は必ずしも一緒でなくてもいい。必要があれば党派をこえて付き合う」と奥野氏。秋本氏の保守票の引きはがしにも期待する。

 千葉9区で現在、野党共闘のカギの一端を握るのはれいわ新顔の三井氏だ。これまで地道に地元を回ってきたというが、「野党共闘は前向きに考えている」と話し、最近は街頭や駅での1人での活動は減らしているという。

 5日には、千葉5区内であった野党共闘の必要性を訴える演説会に参加。他党候補とともに「政府は国民のことを考えていない」と批判し、共闘を呼びかけた。9日、県選挙管理委員会が開いた衆院選の立候補予定者説明会には陣営関係者は参加しなかった。(小木雄太)

千葉9区の衆院選の過去の得票数

(◎が当選、○は比例復活。敬称略)

2017年

◎秋本真利   自民   92180

○奥野総一郎  希望   76332

 鴨志田安代  共産   28488

2014年

◎秋本真利   自民   85092

○奥野総一郎  民主   68564

 西田譲   次世代    24039

 鴨志田安代  共産    20745

2012年

◎秋本真利   自民   80024

○奥野総一郎  民主   63422

○西田譲    維新   45781

 河上満栄   未来    16616

 木崎俊行   共産    12601

 須藤浩   無所属    6955

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