日本型謝罪は「地獄のクソゲー」 大谷差別発言で処分の米国との違い

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聞き手・中島鉄郎
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 政治家や有名人の発言や行為をめぐって繰り返される謝罪会見やツイッターなどでの謝罪コメント。これらに接するたび、何かその妙な「軽さ」を感じることはないだろうか。その理由を知りたくて、ヘイトと闘う「反レイシズム情報センター(ARIC)」の梁英聖さんに話を聞いた。だが、梁さんは「この取材のテーマが『正しい謝罪の仕方は?』なら、そのアプローチは危険です」と言う。なぜなのか。

リャン・ヨンソン 1982年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科特別研究員。著書に「レイシズムとは何か」(ちくま新書)、「日本型ヘイトスピーチとは何か」(影書房)など。

 ――不祥事や差別的言動についての謝罪が「軽くなった」印象はありませんか。

 「前提として、私が問題視しているのは、政治家や官僚、有名人らの深刻な人権侵害や差別の事案で、一般的な不祥事ではありませんが、日本には欧米には見られない独特の謝罪スタイルがあります。私は『日本型謝罪テクノロジー』と呼んでいます」

 ――どういう意味でしょうか。

 「政治家や官僚、企業の社長などきわめて社会的影響力の大きな人間が、人権侵害や差別的言動に対する責任を果たすことなく、ただ頭を下げることで、世間の忘却を狙う方法です。『ご迷惑をおかけした』『不愉快な思いをさせた』という言い方は昔からありましたが、最近とりわけ、責任を回避する一種のスキルとしてマニュアル化している謝罪です。ただ、では『正しい謝罪の言葉は』と聞かれても、答えようがありません」

 ――なぜ、答えようがないのでしょう。

 「正しい謝罪の言葉がある、という問題の設定自体に、日本で人種差別をはじめとする差別的言動が止まらない原因の根がある、と思うからです」

 記事後半では「日本型謝罪テクノロジー」とは一体何なのかを、四つのステップで解説します。そして、この謝罪のあり方を許しているのは、実は「反差別」の側にある、と梁さんはいいます。どういうことでしょうか。

 ――どういうことでしょうか…

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