「ビンセント頼り」からの脱却 東京国際大、出雲駅伝で初出場初優勝

辻隆徳
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 東京国際大が創部11年目にして、「学生三大駅伝」で初の頂点をつかんだ。10日にあった出雲全日本大学選抜駅伝(島根・出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム前、6区間45・1キロ)を2時間12分10秒(速報値)で走りきり、初出場初優勝を果たした。

 この春、東国大の大志田秀次監督は選手を集めて言った。

 「出雲は優勝をめざそう」

 東国大には5000メートルの日本学生記録保持者、イェゴン・ビンセント(3年)がいる。だが、高い目標を達成するには「ビンセント頼り」の現状に不安を感じていた。

 そこで奮起したのが、1年時から主力として駅伝に出場していた丹所健(3年)だ。

 今年は日本学生対校選手権の男子5000メートルで3位に入るなど力をつけていった。

 丹所は「いままでなんとなくエースみたいな感じ。『東国のエースは丹所』とはっきりと言われるようにならないといけない」と強い決意で臨んでいた。

 この日、丹所は言葉通り、存在感を示した。エース級が集う3区。3位でたすきを受けると、2キロ過ぎで先頭に。そこからぐんぐんと後続を突き放した。2位以下に29秒差をつけた。

 奮い立ったのは丹所だけではなかった。

 1区の山谷昌也(3年)は最後まで先頭集団に食らいついてトップと5秒差の3位で通過。2区の佐藤榛紀(はるき)(1年)も3位を保ったまま丹所へたすきをつないだ。

 最終6区のビンセントは先頭でたすきを受けると、終始一人旅でゴールテープを切った。6区で逆転優勝――。当初、大志田監督が思い描いていた“必勝プラン”を、選手たちはいい意味で裏切った。

 2011年の創部以降、長らく「新興勢力」と言われ続けた東国大。大志田監督は言っていた。

 「次は順位や記録をめざしていかないといけない。そのステップアップが今年ではないかと思っている」

 その言葉通り、駅伝シーズンの幕開けとなる出雲駅伝で、新たな歴史を刻んだ。(辻隆徳)