高市氏、PB黒字化目標「凍結に近い状況に」 財務次官の指摘を批判

2021衆院選

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 次期衆院選(19日公示、31日投開票)を目前に控え、各党の政策責任者らが10日、NHKの討論番組に出演した。自民党高市早苗政調会長は、基礎的財政収支プライマリーバランス)を黒字化するという政府の財政再建目標は「凍結に近い状況が出てくる」と述べた。

 高市氏は、岸田文雄首相が国家的な課題に取り組むため「財政の単年度主義の弊害是正」を掲げていることを踏まえ、「長期的なスパンで取り組むべきことがあるということで、これは実質上、一時的にこのプライマリーバランスについては凍結に近い状況が出てくる」と述べた。

 また、財務省の矢野康治次官が今月8日発売の月刊誌「文芸春秋」に寄稿し、衆院選や自民党総裁選での政策論争を「バラマキ合戦」と懸念を示したことについて、高市氏は「大変失礼な言い方だ」と批判した。そのうえで「基礎的な財政収支にこだわって本当に困っている方を助けない。未来を担う子供たちに投資しない。これほどバカげた話はない」と述べた。

 矢野氏の寄稿をめぐっては、岸田首相は10日のフジテレビの番組で「いろんな意見が出てくる。これは当然あっていいと思う」と述べ、「いったん方向が決まったならば、関係者にはしっかりと協力してもらわなければならない」と語った。

 また、鈴木俊一財務相は8日の閣議後会見で、寄稿を読んでいないとしたうえで「麻生太郎前大臣に了解を取った上で、寄稿されている。今までの政府の方針に何か反する、否定するようなものではないと受けとめている。中身について特段、問題というような思いはもっていない」と話していた。

 一方、10日のNHK討論番組では、公明党竹内譲政調会長は経済対策に絡み、「0歳から高校3年生まで全ての子どもたちに1人当たり一律10万円相当の支援を行うべきだ」と強調。「コロナ禍で、大変大きな負担が、子育て世帯とか、子供たちにかかっていることは明らかだ」と語った。

 立憲民主党泉健太政調会長は、岸田首相が唱える「新しい資本主義」について、「ほとんど中身がわからないまま、言葉だけが出てきている感じがする」と指摘。同党の政策では「年収1千万程度以下の方々の(所得税の)減税を言っている」などとし、時限的に消費税を5%に減税することを掲げることについては「財源が必要だが、国債をしっかり出す」と述べた。

 共産党の田村智子政策委員長は、岸田首相の所信表明演説について「入院制限で8月で自宅で亡くなった方が250人だ。なぜこんな事態になったのかという検証が一言もなかった」と批判した。

 安倍政権下での森友・加計学園の問題や「桜を見る会」の問題などについても「一言もなかった。民主主義の危機ってこれを問題にしなくてどうするか。やはり自民、公明政権では何も変わらない」と語った。

 日本維新の会の浅田均政調会長は、岸田首相の「分配」重視の政策に「分配の議論だけするのは意味がない。成長があっての分配だ」と指摘。国民民主党の大塚耕平代表代行は、首相の所信表明演説について「(アベノミクスの)どの部分に問題があって、どういう点を修正するのかということを具体的にお伺いしたかった。代表質問でしっかりと伺っていきたい」と述べた。

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