職場でのコロナ証明書の所持義務化に反対 ローマで1万人がデモ
イタリアの首都ローマで9日、新型コロナウイルスのワクチン接種に反対する人らによる抗議デモがあった。イタリアでは15日から職場でのワクチン接種や陰性の検査結果などの証明書所持が義務づけられるためで、地元メディアなどによると、参加者は少なくとも1万人とみられる。
参加者らはローマ中心部の広場に集まり、通りなどをデモ行進した。一部は首相府に向かい、所持の義務化を認めた労働組合の事務所に押し入ろうとしたため、警察は放水などで応じた。ドラギ首相は声明を出し、「自分たちの考えを表明する権利を、攻撃や脅しなどに用いることは許されない」と批判した。
イタリアでは昨年、夏に感染を抑えながら秋に再拡大を招いてロックダウンを余儀なくされた。この教訓を踏まえ、今年は感染防止に向けた規制が徐々に強化されてきた。
バカンス時期の感染拡大を防ぐためにと、8月からは店内飲食のほか、博物館やスポーツイベントへの入場などで証明書の提示が必要になった。9月には国内の長距離の列車やバス、船舶、飛行機の乗客などにも提示が義務づけられた。
イタリアでは現在、12歳以上でのワクチン接種率が約8割となっているが、今回の職場での証明書所持の義務づけにより、さらに接種率を上げる狙いもある。(ローマ=大室一也)
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