台湾総統「もはやアジアの孤児ではない」 中国対抗で国際協調に自信
台北=石田耕一郎
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は10日、建国記念の日に相当する「双十節」の式典で演説した。中国軍機による台湾の防空識別圏(ADIZ)への相次ぐ進入に危機感を示し、「一方的に(中台の)現状を変える行為を全力で阻止する」と訴えた。
蔡氏は今年の演説で、例年に比べて対中問題への具体的な言及を増やした。
蔡氏は対中政策について、「私たちは緊張緩和を望み、決して無謀な行動をとらない」と従来の方針を繰り返し、対等な条件下での対話による問題解決を求めた。一方で、中国による威嚇の増大に対し「中国からの圧力は強まっており、警戒を緩めてはならない」と人々に呼びかけた。
また、中国が香港の民主活動家らを取り締まり、中国本土でも1970年代以降の「改革開放政策」を転換しようとしていると指摘。台湾のADIZだけでなく、南シナ海などでも国際秩序を脅かしていると訴えた。その上で、「中国が敷いた道には、台湾が持つ民主主義や自由、主権が含まれていない。台湾は圧力に屈することはない」と強調した。
さらに、日本や米国、欧州連…