目先の笑い、一喝した小三治さん 「人間の永遠のテーマ」話芸に昇華

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井上秀樹

 柳家小三治さんが10月7日、亡くなった。

 まじめに生きる姿は、どこか滑稽だ。人間のそんな本性を、柳家小三治さんは噺(はなし)で突き詰めた。「夏どろ」では、長屋へ盗みに入った泥棒が、相手の極貧ぶりを聞くうちに有り金を全て出さざるを得なくなる。人の良い泥棒が「こんなはずじゃないのに」と困り果てていく様子は絶妙だった。

 入門時から将来の名人と嘱望されていた。イラストレーターの山藤章二さんによると、高校時代に出演したラジオ番組「しろうと寄席」では、審査員の八代目桂文楽から「教えることは何もありません」と絶賛されたという。

 当初は六代目三遊亭円生に「…

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