パキスタンのカーン博士死去 核科学者、「闇市場」通じ技術を拡散か

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イスラマバード=奈良部健

 パキスタン国営メディアによると、同国の核科学者アブドル・カディール・カーン博士が10日、首都イスラマバードの病院で死去した。85歳だった。地元メディアによると、肺疾患で入院していたという。同国の核開発の中心人物だったカーン氏は、北朝鮮やイランに核技術を広げた「核の闇市場」を構築し、世界に核拡散の脅威をもたらしたとされる。

 地元テレビによると、カーン博士は9日夜に具合が悪くなり、10日朝に救急車で病院に運ばれた。治療を受けたものの肺から出血が見られるなど症状が悪化し、死去したという。

 パキスタンのイムラン・カーン首相は同日、ツイッターで「我々が核保有国家になるために重要な貢献を果たし、国民から愛された」と死を惜しんだ。

 カーン博士はインド中部に生まれ、インドと分離独立したパキスタンに移住。大学で金属工学を学んだ後に欧州に渡ってオランダのウラン濃縮会社に就職し、濃縮に使う遠心分離器の開発を担当した。核技術を習得する一方で、核開発に必要な資材の入手方法についての知識も得た。

 帰国後、インドの核兵器に対抗するための核兵器開発の責任者となった。1998年に初の核実験を成功させてパキスタン核兵器保有を実現し、「核開発の父」として国民的な英雄となった。

 ところが2004年、国際原…

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