「大事な宝失った」「いよいよ寂しくなる」 柳家小三治さんを悼む声

 柳家小三治さんが10月7日、亡くなった。ゆかりの人々から悼む声があがった。

春風亭昇太落語芸術協会会長「大きな存在だった」

 柳家小三治師匠の訃報(ふほう)に接し非常に驚いています。最後の高座が10月2日と伺い、あまりにも急なことでご家族の皆さまのお気持ちを思うと言葉になりません。

 落語協会会長を長く務められ、また人間国宝として落語界にとって大きな存在であった小三治師匠が亡くなった事は大事な宝を失ったような気がしますが、御一門の皆さんの変わらぬ努力で小三治師匠の落語に対する思いを継承していただけるものと確信しております。

 若き日に小三治師匠と番組をご一緒させていただき、よく声を掛けていただきました。最近はお仕事をご一緒させていただく機会が無くお会いする事も少なくなっていましたが、あの頃の想(おも)い出と小三治師匠の素晴らしい業績を讃(たた)えながら、ご冥福をお祈り申し上げます。

喜劇役者の伊東四朗さん「また会いたいなあ、と」

 50年前に、TBSのお昼のバラエティー番組「お笑いスタジオ」で共演しました。旅回りの一座のコントで、小三治さんが座長、私は演出家。ほかには小松政夫、高松しげお(晴乃タック)、小鹿ミキ、青空はるおが出ていました。

 小三治さんはとにかくまじめにセリフを覚えてきて、スタジオまでオートバイで通って帰っていきました。あんないかつい様子でコメディー番組に出て、まじめな顔でやるのが面白かったですよ。

 私が「ゴルフをやらない?」と誘って、TBS近くの練習場に連れ出して打たせて、コースを3、4回まわりました。そのときも、とにかく大まじめな人でしたから、真剣に取り組んでましたよ。

 ひげの濃い人で、スタジオに来たら電気カミソリでそってました。「ひげをそるときは息をしちゃいけないんだぞ。細かいひげが肺に入って突き刺さるんだ」って言っていたのを思い出しますね。

 一回、私が渋谷で出演した舞台「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」を見に来てくれました。エレベーター前に立ってるのを見ましたが、楽屋には来なかった。照れくさいのかな。そういう意味ではシャイな人でした。

 つい最近もテレビで小三治さんのドキュメンタリー番組を見たばっかりなんですよ。また会いたいなあ、と思っていた矢先でした。

柳亭市馬落語協会会長「本当にくたびれましたね」

 つい最近まで、元気に高座に上がっている、と聞いていたので突然の訃報に接し只々、呆然とするだけです。落語史に、大きな区切りの線が引かれたのは、確かです。何事にも迎合することを嫌い、派手を好まず、極めて芸人らしからぬ、孤高の噺家でした。

 個人的には、師匠先代小さん亡き後、芸について口やかましい事を言ってくれるのは、小三治師匠だけだったので、いよいよ心細く、寂しくなりますが、「もうあんなに沢山、薬を飲まなくてもいいんだな」と思うと、少しだけほっとします。

 小三治師匠、長い間、お疲れさまでした。本当にくたびれましたねぇ。どうかゆっくり、お休みください。有難うございました。

立川志の輔さん「何かにかけて気にかけていただいた」

 落語家立川志の輔さんの談話 立川流の談志の弟子ですから、寄席に一度も入ったことのないこの私に突然「二人会」をやろうと声をかけてくださったり、ご自身の映画「小三治」に出してくださったり、NHKの「ガッテン」に出てくださったり、何かにつけて気にかけていただきお世話になりました。

 ご冥福をお祈りします。