生徒が抱える苦しさ・言えぬ悩み…タブレット端末で検知、自殺防ぐ

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上野創
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 気持ちが苦しい、生きているのがつらい――。そんな生徒の心の不調を把握しやすくする教師向けのツールが、高校で少しずつ広がっている。生徒が答えやすいようにタブレット端末を使う点や、自殺のリスクなどが客観的に示されること、メールで校内の関係者に知らせる機能などが、学校現場で好評という。

 この精神不調アセスメントツールは「RAMPS(ランプス)」。「心身状態の評価」の英語名を略した名称だ。東京大学・相談支援研究開発センターの北川裕子特任助教らが開発した。

選択肢で答えやすく 回答からリスク把握

 活用の場は主に保健室だ。来室した生徒にタブレット端末を渡し、22の質問に対し、選択肢から選んで答えてもらう。この1次検査で気になる回答をした子には、養護教諭らが2次検査で詳しく尋ねる。自殺リスクが高いと判定されたら、すぐ対応するという流れだ。高リスクの場合、養護教諭以外の管理職や担任、教育委員会の担当者らへメールが自動送信されるなど、改良を重ねている。IDを使い、個人名はすぐには分からない。

 質問では初めに「つらいものは?」と尋ね、頭痛、下痢、ストレスなどから選ぶ。「なんとなく」「不調なし」「答えたくない」という選択肢もある。

 「眠れていますか」「食欲は」など答えやすい質問が続き、無気力や絶望感、自傷の経験、「生きていても仕方がないと考えたこと」の有無などを答えてもらう。いじめや幻聴の経験も尋ね、最後に「つらいときに相談できる人」を聞く。

 導入した高校の養護教諭は「生徒にとって手書きよりずっと答えやすい」「けがなどで来室した他の生徒に対応中でも端末を渡して答えてもらえる」と話す。

 質問文は、うつや自殺リスクの専門的な評価指標を元に中高生でも分かる言葉が使われている。画面ごとに表示される問いは一つなので、前の質問や回答が気にならず、周りから見えない点も好評だ。指で次々と押していき、通常2~3分で終わるが、回答までの時間が分かるので、長くためらった生徒は把握できる。

 対面の2次検査で尋ねる内容は、例えば自殺リスクは「死ぬ方法を考えたことは」「実行に移そうとしたことは」「実行しようと考えているか」「やめられそうか」など。養護教諭は自傷行為の有無やその部位も可能なら確認する。

導入した学校の反応は?

原稿の後半では、実際にこのツールを保健室などで使っている学校の活用方や感想を紹介し、生徒に質問する内容も一部を掲載します。

 精神疾患の関連では「悪口や…

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