落語家・立川志の輔さん「恩返しはこれから」 柳家小三治さんを追悼

 7日に亡くなった落語家柳家小三治さんをしのんで、同じ落語家立川志の輔さんが追悼のコメントを出した。

 私は立川談志の弟子で、寄席に一度も入ったことがなくて、小三治師匠とは一緒になってないんです。それが十数年前、突然「二人会をやろうよ」と声をかけてくださった。そんな立場じゃないんですが、札幌でやっていただきました。

 神戸で毎年ある「東西落語会」には毎年、小三治師匠が私を指名してくださいました。楽屋へあいさつに行くと「おうっ」と言ってくださる。何を話すでもないんですが、独特の「気にしてるぞ」って空気がありました。

 司会をしているNHKの「『ガッテン』に出たいんだけどさ」と言われたときは驚きました。何かにつけて気にかけていただきました。

 ファンで見ていたときの小三治師匠は、まだ作品に対するマクラをしゃべっていましたが、私が入門してからはどんどん、人生の面白いことをピックアップしてしゃべりたいことをしゃべっていました。談志とどこか共通する「己落語」みたいなイメージになりましたね。

 落語協会の方と一緒になると「小三治師匠がマクラだけで降りてきた」「マクラを50分しゃべって、『千早振る』を10分でやった」という話を楽しそうにしてました。お客さんは「何のネタをやるのか」ではなく、「きょうの小三治が何を話すのか」を楽しみに来る。高座が落語界中に広がる、大きな存在でした。

 気にかけてもらった恩返しをこれからはやっていく、っていうことを思う以外にない。訃報(ふほう)を聞いてありがたさがあらためて身にしみます。