憲法、核…市民企画イベント「自治体後援」に萎縮の影

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黄澈
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 憲法や非核化などをめぐる市民主催の催しに対し、地方自治体が「政治的中立への配慮」などを理由に、距離を取る事例が後を絶たない。「議論のあるテーマに関わるのは面倒」といった空気が自治体に広がってはいないか――。関係者の間に危惧が広がる。

 「企画は適当ではないと判断しました――」

 憲法についての学習会を開いている三重県四日市市の団体「市民学憲塾」のメンバーが、市男女共同参画センター(はもりあ四日市)の担当者から、連絡を受けたのは2019年7月末だった。

 団体は、センターが毎年開いているワークショップ「はもりあフェスタ」の企画に、ドキュメンタリー映画「不思議なクニの憲法」の上映を申請した。採用されると上限2万5千円が支給される市の「委託事業」で、決定には4人の職員が関わった。

 松井久子監督の16年の作品で、審議中だった安全保障関連法案を違憲とした憲法学者や改憲を訴える自民党衆院議員ら幅広い人が登場する。松井監督は当時の取材に「憲法に関心を持たない人に見てもらおうと制作した」と話していた。

 だが、センターはこの作品に募集要項の応募要件で不可としている「特定の政党の利害に関する内容」が含まれていると判断。「市の委託事業としては実施できない」と伝え、申請を受理しなかった。

 その後の話し合いで、センターが持ち出したのは、自治体職員の政治的行為の制限を定めた地方公務員法の規定。「直接適用されるわけではないが、市主催の事業として、趣旨は踏まえる必要がある」と理屈付けした。職員がネット上の映画の予告編程度しか見ていなかったことも明らかになり、団体側は「その程度の検討で判断したのか」と反発した。

 学憲塾はその後、センターの…

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