サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選で、1勝2敗と出遅れた日本代表の森保一監督の采配を疑問視する声がファンらの間で上がっている。実は、森保監督の起用法は、かつて日本代表を率い、W杯で厳しい結果に終わった指揮官と似ているところがある。
0―1で敗れた7日(日本時間8日)のサウジアラビア戦。後半、ボールを失う回数が増えていたMF柴崎岳のパスミスから逆襲を食らい、日本は決勝点を許した。森保監督は「疲労が見えてきていたので、交代をしようと思っていたところ失点した」と振り返った。
18年W杯ロシア大会後に就任した森保監督は、短期間で4バックと3バックを試したり、所属クラブで結果を出している選手を先発で使ったりしてチーム作りを進めた。親善試合では思い切った采配も見られた。
兼任して率いた東京オリンピック(五輪)代表の若い世代を成長させ、選手層も厚くなったはず。しかし9月に始まったW杯アジア最終予選では、日本代表の長年主力だったベテランを重用しているように映る。
調子が上がっていないようにみえる選手を先発で起用する一方で、本来とは異なるポジションで新たな選手を抜擢(ばってき)したり。毎試合、ケガや出場停止などでメンバーが完全にそろわない影響があるとはいえ、最終予選の3試合で、森保監督の選手起用ははまっていない。
選手起用にはさまざまな要素があるが、信頼や実績の優先度が高いという見方もできる。4位だった東京五輪もそうだ。計6試合、主力はほぼ出ずっぱりだった。だが、大会終盤のメダルがかかった準決勝、3位決定戦は、疲労の色を隠せなかった。メンバーの固定化は、東京五輪でも指摘された点だった。
起用に序列がある。そう言われた指揮官が、歴代の日本監督にいた。
2002年W杯日韓大会後に…