日本との関係重視、だが「反中国には…」 防衛協力深める東南アジア

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聞き手・西村宏治
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 日本がインド太平洋地域の各国と、安全保障面での協力を深めている。9月にはベトナムと防衛装備品や技術の移転に必要な協定を締結。同時期にベトナムを訪れていた岸防衛相は、両国の防衛協力が「新たな段階」に入ったと語った。こうした取り組みは、地域の中心部とも言える東南アジア側からはどう見えているのか。東南アジアの安全保障に詳しいシンガポール国立大リー・クアンユー公共政策大学院のエバン・ラクスマナ・上級研究員に聞いた。

Evan A. Laksmana

インドネシア出身。2009年にインドネシア戦略国際問題研究所(CSIS)に入り、21年から現職。専門は国際安全保障、軍民関係論など。米中対立の中での東南アジアの立ち位置について、積極的な発信を続けている。(写真は本人提供)

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 ――日本がインド太平洋地域で安全保障面での関与を強めています。こうした動きは、東南アジア各国からはどう見えていますか。

 「基本的に、東南アジア地域は日本にとても好意的だ。過去数十年の日本の経済的、外交的な取り組みは低姿勢で、実用本位だったためだ」

 「特に安倍政権下でより強い軍事的な関与を志向するようになったが、それには相反する反応がある。中国とのバランスを取るために歓迎できるというものと、もっと静かに、民間部門を中心に動いてほしいというものだ。日本との関係によって利益を得たいが、反中国の立場にはなりたくないからだ」

 ――9月には防衛装備品の輸…

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