台湾総統「圧力に屈しない」 中国に対抗、人々に団結呼び掛け

有料会員記事

台北=石田耕一郎、北京=高田正幸
[PR]

 中国が台湾の防空識別圏(ADIZ)に自国軍機を相次いで進入させるなか、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は10日、建国記念の日に相当する「双十節」の式典で演説し、「台湾が圧力に屈することはない」と宣言した。日米欧が今年、相次いで台湾問題への関心を表明したことを挙げ、「台湾はもはや『アジアの孤児』ではない」と訴えた。

 蔡氏はこれまで、対中関係では慎重な言動を貫いてきた。ただ、今月初旬に中国軍機延べ150機がADIZに進入するなど軍事圧力が強まっている事態を受け、あえて強い言葉で防衛の決意を語ったとみられる。一方、中国の習近平(シーチンピン)国家主席も9日の演説で台湾統一を強調。歩み寄りの動きを見せる米中にとって、緊張が続く台湾問題をどうコントロールするかが焦点になりそうだ。

 双十節は中華民国の建国につながった辛亥(しんがい)革命の記念日。蔡氏は演説で、例年に比べて対中関係への具体的な言及を増やし、「中国は香港を全面的に制圧し、(1970年代以降の)『改革開放』政策を転換した」と指摘。「台湾西南域(のADIZ)で軍事活動を常態化させているほか、南シナ海東シナ海でも国際秩序に挑んでいる」と批判した。

 対中政策については、「私たちは緊張緩和を望み、決して無謀な行動をとらない」と従来の方針を説明した。一方で、主要7カ国(G7)などが、台湾問題への関心を明言したことや、コロナ禍での台湾と各国の連携に触れ、「民主主義国の大連盟ができている」と主張。「中国が敷いた道には、台湾が持つ民主主義や自由、主権は含まれていない。台湾は防衛力を高め、圧力には屈しない」と強調した。

団結呼び掛ける演説 習主席の発言受け、直前に決めたか

 一方、習氏は9日に北京であ…

この記事は有料会員記事です。残り423文字有料会員になると続きをお読みいただけます。