動画の倍速視聴、コロナ禍で気づいた「気持ち良さ」 明石ガクトさん
聞き手・田中聡子
動画やドラマ、映画を「早送り」する視聴スタイルが広がっています。2倍速で見る機能を備えた配信サービスも。これは、時間にも「コスパ」が求められている、ということなのでしょうか? 動画プロデューサーの明石ガクトさんは「最近の早送りは、事情が異なってきた」といいます。
1982年生まれ。2014年、コンテンツスタジオ「ワンメディア」を創業。著書に「動画2.0」など。
私はテレビを1・2倍速で視聴しています。新しいインフルエンサーの動画、コラムを書くための映画、世の中の動きを知るためのテレビ……。見なければいけないコンテンツがあふれていて、30分のものに30分かけていては時間がいくらあっても足りないからです。
ただ、最近の若い人の早送りは、事情が少し異なります。ユーチューブなどの動画は、情報を凝縮している時点でもともと早回し的な要素があるのですが、それすらも早送りして見ています。これは「時間がないから」とかではなく、純粋に「そういうものが気持ちいいから」だと思っています。
そのことに気付いたきっかけは、新型コロナです。
それまで私は、テンポの速い…