座標軸なき世界、オタクの一般化が進めた「倍速視聴」 大澤真幸さん

有料会員記事

聞き手 編集委員・塩倉裕
[PR]

映画もアニメもドラマもSNS動画も、早回しで見る――。スマホを1人1台持つようになり、そんな視聴の仕方が広がっています。これは「実は切迫した実存の表れかもしれない」と、社会学者の大澤真幸さんは語ります。どういうことなのでしょうか。

1958年生まれ。専門は理論社会学、現代社会論。「不可能性の時代」「〈世界史〉の哲学」など著書多数。

 ドラマもアニメもSNS動画も早送りで視聴する。そんなスタイルの広がりには、僕も興味を引かれていました。背後には実存的な切迫感がひそんでいるように見えます。本人たちが意識しているかどうかは分かりませんが。

 1990年代あたりから注目され始めたオタクというありようが、社会の中で一般化したことを表す現象でもありそうです。オタクが普通のことになり、普通の人々がオタクっぽくなったのです。

 人間には「世界を知りたい」…

この記事は有料会員記事です。残り887文字有料会員になると続きをお読みいただけます。