同性カップルの法廷での訴えは「余計なもの」 署名提出後に一転実現

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村上友里 塩入彩
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 同性同士の結婚が認められないのは「婚姻の自由」を保障した憲法24条などに反するとして、同性カップルらが国に賠償を求めた訴訟で7人の原告の本人尋問が11日、東京地裁であった。「(婚姻に相当する関係であると証明する)パートナーシップ制度はお守りみたいなもので法的効力はない。男女の結婚と同じ権利がほしい」と訴えた。

 同性カップル3組を含む原告らは、同性パートナーとの婚姻届を提出したが同性であることを理由に受理されず、同性婚を認めない民法などは違憲だとして2019年に提訴した。

パートナーの病状、説明受けられず

 この日の本人尋問で、東京都の40代の会社員女性は、パートナーの50代女性が16年に乳がんを患った際の体験を語った。闘病でパートナーの収入が減っても所得税配偶者控除が認められず、「法的な婚姻関係と違う不平等を感じた」。仮にパートナーが亡くなった場合、パートナーと元夫との子どもを育てる親権がないことも不安だったといい、「法的に結婚できずつらい思いをする人は、私で終わりにしたい」と訴えた。

 東京都の50代の会社員男性は、ともに原告となったパートナーの男性(当時61)を今年1月に病気で失った。病院では「付き添いだ」と話したが、医師から血縁者を呼ぶように言われ、パートナーの病名や病状の説明を直接受けられなかった。

 ただ、亡くなる直前に「ずっとそばにいるよ」と伝えることだけはできた。「法的に結婚していないと(関係性が)認められず悔しかった」と、言葉をつまらせながら説明した。

 本人尋問は、原告ら本人が法廷に立ち、被告側や裁判官の尋問に答えることで事実を証明する方法だ。原告の弁護側によると、19年の裁判中の進行協議で田中寛明裁判長が、原告の個別事情は「夾雑物(きょうざつぶつ)(余計なもの)」と述べ、本人尋問を認めない判断を示したという。

 そこで原告らは今年2月、「本人の言葉を聞いて判断してほしい」と尋問を求める約1万8千筆の署名を地裁に提出。4月に新しく代わった池原桃子裁判長が本人尋問の実施を決めた。

 同性婚をめぐる集団訴訟は全国五つの地裁、高裁で係争中だ。今年3月、同性婚を認めない民法などの規定は「法の下の平等」を定めた憲法14条に反すると判断した札幌地裁でも、原告5人の本人尋問が行われた。(村上友里)

パートナーシップ制度、110自治体に

 国が認めていない同性カップルの「婚姻関係」を、自治体が独自に認める動きが全国で広がっている。

 婚姻に相当すると証明する「…

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