野心をとるか現実をとるか 生物多様性COP15、中国で開幕

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瀋陽=平井良和
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 196カ国・地域が参加する生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15)の開幕式が11日、中国の雲南省昆明市であった。2010年の名古屋COP10で採択された生態系保全の世界目標「愛知目標」に続く30年までの新しい目標を決める節目の会議となる。コロナ禍で変則的な日程となり、15日までオンラインで議論した後、来年4月に対面の会合を開き、新目標の採択をめざす。

 開幕式では、議長国・中国で共産党序列7位の韓正(ハンチョン)副首相が「バランスの取れた実行できる目標づくりを進めたい。野心と現実を兼ね備えた道を歩こう」と呼びかけた。20年までの愛知目標は世界の陸域の17%、海域の10%を保護地域にすることなど20項目が掲げられたが、「完全に達成された項目は一つもない」とされているため、次期目標に実現性を求める声があることをふまえた発言とみられる。

 一方、条約事務局のムレマ事務局長は「この10年で一定の進展はあったが、動植物の多様性の喪失を止められていない。30年には回復の軌道にのせなければならず、新目標は野心的なものにしよう」と訴えた。

 30年までの新世界目標については7月、陸域と海域の保護地域をそれぞれ30%以上に引き上げることや、生態系保全の資金を世界で年間2千億ドル(22兆6千億円)まで増やすことなど21項目からなる草案が出されている。実現性が問われる一方で、NGOからは「不十分な目標」との声も上がっており、合意への道筋は険しそうだ。

 12日には各国の国家元首を招待し、習近平(シーチンピン)国家主席も参加する「サミット」とハイレベル協議が予定されている。(瀋陽=平井良和)

愛知目標「達成された項目は一つもない」

 生物多様性条約は1992年に気候変動枠組み条約と同時に誕生。「双子の条約」とも呼ばれる。日本が議長国だった2010年のCOP10で採択された「愛知目標」では、世界の陸域の17%、海域の10%を保護地域にすることなどその後の10年間に達成すべき20項目が掲げられた。

 だが、条約事務局は達成期限となる20年、「完全に達成された項目は一つもない」とする厳しい報告書を出した。

 外来種の防止策や保護地域の…

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