交代要員なく訪問先が1日8軒に…介護の人出不足は変えられるのか

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山本知佳
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 秋晴れの昼下がり。築44年の集合住宅は、静まりかえっていた。東(あずま)智子さん(45)は車のエンジンを止め、体温計を取り出した。

 36・5度。平熱だ。

 介護福祉士の東さんは名古屋市守山区訪問介護事業所「ヘルプサービスあまこだ」で働く。約15年前から、女性(89)が暮らす部屋を週1度訪れている。

4日に就任した岸田文雄首相は、医療や介護、保育などの「公定価格」のあり方を抜本的に見直し、こうした分野で働く人の所得を向上させると表明しています。低い賃金水準と慢性的な人手不足に悩み続けるケアの現場は変わるのでしょうか。所得の向上はケアの向上につながるのでしょうか。記事後半では、社会保障の専門家の見方も紹介しています。

 呼び鈴を押す前に、アルコールスプレーを手や指に念入りにもみこむ。

 「万が一にも、利用者さんをコロナに感染させるわけにはいきませんから」

 招き入れられても、まずは洗面所へ。手を洗ってゴム手袋をつけ、一人暮らしの女性に声をかける。

 台所に、4本入りキッチンペーパーが4袋も。テーブルも、ものであふれる。

 「どう、なんか困ったことあった?」

 「着物の買い取りがきたんよ」

 掃除機をかけ始めた東さんが…

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