イセエビが水揚げ増、それなら名物に グリルは塩味、パスタソースも

福地慶太郎
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 福島県いわき市で高級食材のイセエビの水揚げが増えている。それに目をつけた市内の水産加工会社とシェフが「地元の新たな名物」にしようと、ピザやパスタソースを共同で開発。「磐城イセエビ」と名付け、9月からオンラインで商品の販売を始めた。

 県水産海洋研究センターによると、いわき市内のイセエビの年間水揚げ量は東日本大震災東京電力福島第一原発事故が起きる前までは1トン前後で推移。2011年以降は漁の自粛で激減したが、19年に3・7トン、20年は4・4トンに増え、今年は8月までに2・7トンと、前年同期の4倍を超える。

 水揚げ増について、水族館「アクアマリンふくしま」(同市)の飼育員の松崎浩二さんは「イセエビの存在が多くの漁師に認識されるようになったからではないか」とみる。同市の鮮魚仲買・水産加工会社「上野台豊商店」も注目し、社長の上野台優(ゆたか)さん(45)は今夏、以前から交流のあった市内のイタリアンレストラン「スタンツァ」のシェフ北林由布子さん(51)に、イセエビを使った料理の開発を依頼。ピザとパスタソース、グリルを完成させた。

 「新鮮なイセエビそのものの味を楽しんでほしい」と北林さん。イセエビのグリルは塩とオリーブオイルで味付けし、イセエビの殻や身からだしをとったパスタやピザのソースは濃厚な味わいが特徴で、ピザにはイセエビの身をトッピングした。

 また、商品化に向けて、市内で捕れたイセエビの呼び名をツイッターで募集。約600人から提案や応援が寄せられ、「磐城イセエビ」と名付けた。9月からピザ(税込み4千円)と、パスタソースとイセエビのグリルを含めたセット(同4500円)の販売を順次始めた。

 原発事故による風評被害が続く中、上野台さんは「いわきの海でおいしい水産物が捕れると多くの人に知ってほしい」と話し、「将来的にはイセエビをいわきの名物にして、観光の目玉にもなれば」と期待を膨らませている。商品は上野台豊商店のオンラインショップ(https://www.onahamanosanma.jp/別ウインドウで開きます)で購入できる。福地慶太郎