台風から2年、今も見つからない妹 鎮魂碑に刻めなかった名前を

有料会員記事

申知仁
[PR]

 2019年10月の台風19号で行方不明となった小野正子さん(当時63)の捜索が10日、宮城県丸森町にある正子さんの実家跡付近で行われた。親族や地元の住民、警察や消防団ら約100人が、手がかりを求めて周辺の山中を歩いて回った。

 正子さんの姉天野民子さん(70)も参加。シャベルを手に山や沢の泥を掘り起こし、正子さんが身につけていたものがないか、丁寧に見て回っていた。「なんとか形に残るものを見つけたいけど。これだけ時間が経っているから、手がかりといっても難しいかな」

家族3人の遺体が見つかる

 2年前の10月12日夜、天野さんの母大槻竹子さん(当時92)と姉大槻利子さん(当時70)が暮らす家には、正子さんと夫の新一さん(当時67)も避難していた。13日朝、家は土台だけ発見された。その後3人の遺体は見つかったが、正子さんは行方不明のままだ。

 天野さんはこの2年、捜索を繰り返してきた。ただ最近、少しずつ思いに変化が生まれているという。「(正子さんは)いい子だったから、今頃はきっと天国でみんなと仲良く暮らしているはず」。残された家族も「前を向いて、自分たちの暮らしを大切にしていきたいと思うようになった」と話す。

 天野さんら親族は昨年10月、この家があった場所に、犠牲者の名前を記した鎮魂の碑を設置した。正子さんの名前だけ、どうしても刻むことができなかったが、今年になって加えた。

 台風19号で県内最大の降水量を観測した丸森町では、正子さんの家族を含め計11人の死者(関連死を含む)と1人の行方不明者が出た。県内では計20人の死者と、2人の行方不明者が確認されている。町では12日午前10時から丸森まちづくりセンターで追悼式がある。(申知仁)

台風19号の丸森町・大郷町 住まいの再建は

 台風19号は19年10月1…

この記事は有料会員記事です。残り420文字有料会員になると続きをお読みいただけます。