「欧米の誤認と偏見なぞってはだめ」 タリバンとは拒絶でなく対話を

有料会員記事アフガニスタン情勢

聞き手・佐々木亮 聞き手・池田伸壹 聞き手・大坪実佳子
写真・図版
コラージュ・齋藤菜穂
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 イスラム主義勢力タリバンが再び権力を掌握したアフガニスタンに私たちはどう向き合ったらいいのだろうか。これまで日本から様々なかたちで関わってきた識者に尋ねた。

中村哲さんがよく話していたのは…」村上優・ペシャワール会会長

 アフガニスタンでは、故中村哲医師が率いた現地NGO「PMS」(平和医療団・日本)が、ペシャワール会の支援を受けて活動しています。タリバンが首都を掌握した8月15日以降、活動は一時休止しましたが、東部ナンガルハル州のダラエヌール診療所は1週間も置かずに開け、10月に夜間救急も再開。灌漑(かんがい)用水路工事は農業事業での収入を重機の燃料費に充てて10月7日、バルカシコート堰(せき)の2期工事に着手しました。

 現地で困っているのは、お金の問題。米国による資産凍結などの影響で預金の引き出しが制限されている。機材や燃料を買うにも資金が足りない。インフレも進んでいる。干ばつも続き、このままでは多くの人が食い詰め、社会不安が増大する。国際社会はそうした状態を待っているのでしょうか。

 タリバンの人権意識を批判する声があります。確かに時代錯誤の面もある。けれども外からの物差しで、西洋の近代的な世界観が全て正しいという前提で論じているように思えます。米国は20年かけて莫大(ばくだい)な資金と軍事力を投じ、米国の物差しを広めようとしたが、うまくいかなかった。

記事後半では、中村哲さんの言葉を紹介するとともに、同志社大大学院の内藤正典教授に西欧とイスラムの「根本的な違い」について、現地の女性団体と交流する室蘭工業大大学院の清末愛砂教授にタリバンだけではない女性への締め付けについて聞きました。

 中村さんはいったん自分の物…

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