カジノを含むIRは日本に必要? 専門家6人の賛否、まとめ読み

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聞き手・井東礁 聞き手・箱谷真司
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 カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に向けた手続きを、大阪府・市、和歌山県長崎県の3地域が進めています。ただ、IRは横浜市が誘致の撤回を表明するなど、賛否が分かれています。さまざまな立場の専門家にその是非をたずねました。これまで朝日新聞デジタルで配信した専門家たちの意見も、まとめてお読みいただけます。

反対派 慶応大の小林節・名誉教授「ばくちを正当化する理屈なし」

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慶応大学の小林節・名誉教授

 ――なぜIRに反対するのですか。

 「カジノは人間の心にある射幸心、働かないで得をしようという精神をくすぐり、まじめに稼いだお金を奪い取る。これを経済政策にするのは邪道だ。例えば日本は、ものづくりの伝統がある。世界中から学んで、世界にないものを発信してもうけてきた。そうやって稼ぐのが経済であり、ばくちは経済ではない。例外的にばくちを正当化する理屈も環境もない」

 ――富裕層にカジノを楽しんでもらい、収益の一部を税金として徴収すれば、所得の再配分につながるとの主張もあります。

 「ただの絵空事。ばくちにはまるのは、金持ちであるなしにかかわらず同じ。依存症になってしまったら、高い入場料だって捻出するし、入場回数を制限しても毎週のようにカジノに通ってしまう人もいる。金持ちだけが優雅に遊ぶIRにするという、仕切り分けなんてできない」

 ――今年8月にあった横浜市長選に向けて、横浜市へのIR誘致の反対運動をされました。

 「今のIR法の枠組みは、国がIRという制度をつくって、あとは自治体がそれぞれ趣味で手を挙げなさいというもの。横浜市民として横浜に来ることはけしからんということだ。ただ、大阪の人がやりたければ、どうぞご自由にという立場でもある。当然、大阪の住民自治は尊重する」

 ――横浜市長選では、IRを推進してきた菅義偉首相(当時)が、IR反対を掲げた元自民党衆院議員の候補者を支援しました。

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 「我々は丸々1年間、いかに…

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