「不動産リーグ」の中国サッカーどうなりそう 恒大集団の身売り観測

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北京=西山明宏
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 中国不動産大手の中国恒大集団が経営危機に陥り、同社が所有するプロサッカークラブ・広州FC(旧広州恒大)の先行きに注目が集まっている。中国サッカーを代表する強豪だが、身売りの観測も飛び交う。中国では「不動産リーグ」と呼ばれるほど不動産企業の経営参画が目立つが、各社の経営危機とともに転機を迎えている。

 恒大が広州FCの経営から身をひくことを検討――。米ブルームバーグは9月、広州FCが恒大の経営難を理由に地元の広州市政府に支援を要請したと報じた。市政府や地元企業が株式を保有して経営に参画し、恒大は撤退するとの案が浮上しているという。

 同月末には元イタリア代表DFのカンナバロ監督の契約解除を発表。広州FCは2019年に約20億元(約350億円)の損失を出すなど、7年連続で損失を計上。親会社の恒大は経営難で、放漫経営のクラブを支えられなくなっている。

 広州FCは10年に恒大が約1億元(約17億円)で買収してオーナーになって以降、1部リーグで7連覇、アジアの王者に2度輝いた。不動産マネーをバックに巨額の資金力で海外の有名選手や監督を獲得してきたからだ。中国メディアによると、元ブラジル代表MFのパウリーニョは年俸約18億円、イタリア代表をワールドカップ優勝に導いた監督のリッピ氏は年俸約26億円だったとされる。

 「不動産リーグ」。中国のプロサッカーリーグを、中国国内ではこう称する。1994年にプロ化されて以降、不動産大手の万達集団など、多くの不動産企業がサッカークラブの運営に参入。1部リーグ全16クラブのうち、15クラブでオーナー企業が不動産事業に関わる。広告効果だけでなく、習近平(シーチンピン)国家主席が「サッカー好き」ということも背景にありそうだ。

 恒大と同様に、不動産マネーで有名選手を呼び寄せてきた企業も少なくない。元ブラジル代表FWロビーニョ、元コートジボワール代表FWドログバ、元アルゼンチン代表FWテベス、MFマスケラーノなど、そうそうたる面々だ。中国メディアによると、1部リーグのクラブが投じている資金はJリーグの3倍、選手の年俸は同5・8倍に上る。

 ただ、オーナーの不動産企業を取り巻く経営環境が厳しくなり、今後こうしたクラブ経営は鳴りを潜めそうだ。河北FCの華夏幸福は経営難で資産売却を発表。上海申花の緑地ホールディングス、広州城FCの広州富力地産も負債が資産の7割を超えるなど厳しい財務状況が指摘されている。中国政府による不動産企業への規制強化も追い打ちをかけ、クラブへの投資は減らさざるを得ない状況にある。

クラブの経営自体も規制強まる

 さらに、中国政府はサッカー…

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