第2回名門派閥の理念封印した首相 「ある人」に相談、奇妙な共闘もあった

有料会員記事岸田政権

編集委員 佐藤武嗣
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 12日に参院で行われた代表質問で、立憲民主党幹事長の福山哲郎が取り上げたのは、敵の基地や拠点を直接破壊する敵基地攻撃能力の保有だった。コストや実現可能性のほか、「先制攻撃と見なされる恐れがある」点をただした。憲法違反につながりかねないという批判を踏まえたものだった。

 首相の岸田文雄は「(弾道ミサイルに対する)迎撃能力を向上させるだけで、本当に国民の命と平和な暮らしを守り抜くことができるのかといった問題意識を持っている」としたうえで、「様々な観点から検討していきたい」と語った。

 総裁選でも岸田は保有を「有力な選択肢」と発言。踏み込んだと注目されたのは、岸田が自民党の名門派閥「宏池会」のトップだからだ。

 先月30日、東京・永田町にある宏池会事務所では、岸田を所属議員が拍手で出迎えた。前日の党総裁選で勝利し、第100代の首相就任を間近に控えていた。

 「30年ぶりに宏池会政権が誕生した」

 事務総長代行の三ツ矢憲生のこんなあいさつを、岸田は「30年の歴史の重みを感じると同時に、総裁派閥になったことの責任の大きさをかみしめなければならない」と引き取った。

 宏池会は、終戦直後の吉田茂元首相の「軽武装・経済重視」政策を引き継ぎ、池田勇人元首相が創設した党内最古参の「ハト派」派閥。大平正芳鈴木善幸宮沢喜一とこれまで4人の首相を輩出した。9代目会長の岸田は派閥ホームページに戦前の反省を踏まえ、「リベラルな社会作りを目指す集団としてスタートした」と紹介している。

慎重な姿勢から一転、敵基地攻撃能力の検討に踏み込む岸田。「リベラル封印」に見える主張の意図を記事後半では探ります。

 先代の古賀誠が、自著で「宏池会という政策集団は、9条を守ろうという志を持ってきた」と記すように、平和主義が派閥のカラーだ。

 だが、今回の総裁選での岸田…

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