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「介護職の処遇は低い。期待値を還元する」 SOMPOケア人事部長

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聞き手 専門記者・木村裕明
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 SOMPOホールディングスが、傘下の介護事業大手SOMPOケアの職員約1千人の給与を来年4月に引き上げる方針を打ち出した。保険業界から異なる分野に参入し、なぜ処遇改善に熱心に取り組むのか。SOMPOケアの岸部匡剛(まさたけ)人事部長に聞いた。

尊敬すべき仕事、でも……

 ――来春、介護職の中核職員の賃金を引き上げる方針です。具体的にどう引き上げるのですか。

 「社内で『ケアコンダクター』と呼んでいるリーダー層の職務手当を加算します。正社員1万人強のうち約7千人が介護職。うち約1千人が引き上げの主な対象で、2022年4月に実施予定です。8月に経営決定をして、9月に労働組合に提示しました。UAゼンセンの傘下に日本介護クラフトユニオンという職業別労組があり、そのSOMPOケア分会と10月中の妥結をめざして交渉中です」

 ――なぜ、処遇改善に積極的なのですか。

 「高齢者の食事や排泄(はいせつ)、生活のお手伝いをする介護職の仕事は一見敷居が低いですが、高齢者の尊厳を守りながら、人生の終盤に彩りを添えていく意義深い仕事です。突き詰めていくと、非常に高い専門性や心の態度、ホスピタリティーが求められます。尊敬すべき仕事であるわりに、同じ福祉・医療業界の専門職である看護師などと比べると、社会的な位置づけや処遇が十分とはいえません。グループとして15年に介護事業に参入して以降、経営陣は介護職の処遇の低さを経営課題と考えてきました」

 「介護職にはいくつかの段階があります。国家資格の介護福祉士を取得して一人前で、一定程度の専門性を身につけたことになります。さらに、周りを巻き込んでいくリーダー的な職務に就く人は看護師並みの処遇にしていく必要がある。こうした問題意識が以前からあり、19年の第1弾の処遇改善につながりました」

 ――第1弾の処遇改善も、リーダー級の社員が対象だったのですか。

 「そうです。介護福祉士の国家資格を持っていて、その中でも介護現場のリーダーの仕事をしてくれる社員約1千人がメインのターゲットでした。加えて、管理職も一定の改善はしました」

 ――来年の処遇改善も、メイ…

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