円安にコロナ…苦境続く中小企業 アベノミクスでも「滴」は落ちず

有料会員記事

岡本進
[PR]

 岸田政権が発足した翌日の5日、埼玉県川越市の郊外にある大和(だいわ)工業の工場では、金属ワイヤを秒単位で切断する機械音が鳴り響いていた。留め具の「リベット」に次々と加工され、ケースに積まれていく。

 トラックのドラムブレーキの締結部に使われるリベットの製造では業界有数のシェアを誇る。エアコンのモーター部品や建築用にも出荷され、種類は2千に及ぶ。社長の名児耶(なごや)健治さん(48)は「1個60銭とかの薄利の仕事だ。最近は原材価格が高騰し、取引先に2銭の値上げをお願いしている」と言った。

 社員は19人。祖父が設立した会社を6年前に継いだ。以前の主力商品は折りたたみ式携帯電話に使われる留め具だった。休日も工場を稼働させた。だが、スマホ時代になると注文はゼロに。2008年に起きたリーマン・ショックが追い打ちをかけ、3億円台だった売上高は1億円も落ちた。

輸出産業に恩恵の円安、むしろ痛手に

 12年に安倍政権が発足する…

この記事は有料会員記事です。残り958文字有料会員になると続きをお読みいただけます。