途上国の生態系保護へ基金 COP15で中国が260億円拠出表明

瀋陽=平井良和
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 生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15)の首脳会合が12日、開催地の中国と各地をつなぐオンライン形式で開かれた。議長国を代表して演説した習近平(シーチンピン)国家主席は「経済発展と環境保護の両立を進める」と述べ、15億元(約260億円)を拠出して発展途上国の生態系を守るための「昆明生物多様性基金」を設けることを表明した。

 習氏は、コロナ禍で国連のSDGs(持続可能な開発目標)への挑戦が「より大きなものになってきている。途上国はより多くの支援を必要としている」と述べた。COP15では2030年までの生態系保全の新世界目標の採択を目指すが、環境保護の目標は「野心と実現性のバランスを考えるべきだ」とした。

 首脳会合にはロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領、英国のチャールズ皇太子、国連のグテーレス事務総長らが参加。フランスのマクロン大統領は「各方面の協力で世界の陸域と海域のそれぞれ30%を保護地域にしたい」と呼びかけ、パプアニューギニアのマラペ首相は「パプアでは計94種の動物が絶滅の危機とされている。より強力な生態系保護の仕組みをつくってほしい」と訴えた。

 COP15で議論される新しい世界目標は、10年の名古屋COP10で採択された「愛知目標」の後継となる。15日までオンラインで議論した後、来年4~5月の対面の会議で採択をめざす。

 20年が期限の愛知目標は世界の陸域の17%、海域の10%を保護地域にすることなど20項目が掲げられたが、「完全に達成された項目は一つもない」とされた。新目標については7月、陸域と海域の保護地域をそれぞれ30%以上に引き上げることなど21項目からなる草案が出されている。(瀋陽=平井良和)