北海道の看護学院パワハラ52件認定 調査委は教員の配置換え提言

阿部浩明
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 北海道立江差高等看護学院の学生や保護者が複数の教員によるパワーハラスメントを訴えた問題で、外部の有識者3人で構成する第三者調査委員会(座長・山内良輔弁護士)は12日、学生から聞き取りをした事案のうち52件をパワーハラスメントと認定した。関与した教員の配置換えなどの提言を盛り込んだ調査書を近く道に提出し、改善を求める。

 函館市内で開いた非公開の会合の終了後、山内座長らが会見した。それによると、調査した事案は101件(江差看護学院70件、紋別看護学院31件)で、江差34件、紋別18件でパワハラを認定。聞き取りをした学生24人のうち14人がパワハラを受け、調査をした教員15人のうち11人がパワハラを行ったと認定した。

 パワハラの具体的な内容として暴言や侮辱、威圧的態度、執拗(しつよう)な非難などを挙げた。パワハラ認定には至らないものの、不適切な指導や対応とした事案が35件あった。学生の訴えを元にした調査範囲に限っても、パワハラは少なくても2015年から続いていたという。

 山内座長は問題が起きた背景について、「学院長が実情を把握できていないなど管理職の責任感が欠如し、教師には学生を育てる意識が希薄だった。また、副学院長に事実上権限が集中し、独善的な学院運営があった」と指摘。「学院の正常化のためには、ハラスメントに関与した教員は現職場での勤務を続けさせないほうがいいのではないか」と述べた。

 委員の藤井寿夫・函館短大教授は「再三問題が指摘されていたのに、道の指導は不十分。道の調査内容は、我々が聞き取りした学生の訴えと乖離(かいり)しており、こうしたことが問題を深刻化させた。道の責任は極めて大きい」と指摘した。(阿部浩明)