炭鉱の隆盛から破綻 再生めざす夕張が問う「地域振興とは」

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 9月25日の土曜日、北海道夕張市中心部の清水沢地区を、10人の市民らが散策した。市内のまちづくり団体「清水沢プロジェクト」が月1回開いている「まちあるき」だ。参加者は炭鉱住宅などが残る一帯を、ごみ拾いしながらゆっくりと歩いた。

 「清水沢駅は石炭を運ぶ鉄道をつなぐターミナル駅でね。辺りは映画館や劇場があって、すごいにぎわいでしたよ」

 清水沢出身で、今もこの地区に住む元市職員の上木和正さん(71)が、歩きながら説明した。

 まちあるきイベントは、炭鉱の歴史遺産を再発見しようと、市内外から参加者を募り、2015年に始まった。通算72回目のこの日は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が出ている最中で、2カ月ぶりの開催だった。

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 19日公示、31日投開票の衆院選は、医療体制や経済の立て直しなどコロナ対策が最大の争点となりそうです。コロナ禍の下で求められる政策を、北海道に関わる様々な課題とともに現場で探ります。北海道から随時配信します。

 石炭業が盛んだった夕張は、上木さんが生まれた翌年に初めて人口10万人を超え、1960年には最多の11万6千人に。上木さんが通う小学校は50人学級が1学年に4クラスあった。

 しかし70年代に入りエネルギーが石油に代わり、炭鉱の閉山が相次いだ。市内の炭鉱がすべて閉山した90年、夕張の人口は2万人台に。市は「炭鉱から観光へ」を合言葉に大型観光施設などを建設・運営したが、失敗。07年に財政再建団体(現・財政再生団体)に転落した。その時約1万2千人に落ちていた人口は現在、7100人だ。予想を上回る速さで人口が減り続けている。

 20年1月1日現在の人口動態によると、夕張は65歳以上老年人口の割合が51・79%と全国の市で最も高く、逆に15~64歳の生産年齢人口の割合が42・63%と最も低い。0~14歳の年少人口割合も、5・59%と2番目に低い。

 「人口減が避けられない夕張で、地域の中の人と外の人が関係を築きながら、いま住んでいる人が楽しく過ごせる誇りある地域を次世代につないでいく」。清水沢プロジェクト代表理事の佐藤真奈美さん(42)は、大学院の修士論文テーマとして夕張と関わった08年以来、こんな思いを持ちながら活動を続けてきた。

 かつて炭鉱事務所や発電所と…

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