「番組への圧力」期待するのはアリ? スポンサーへの抗議を考える

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論説委員・田玉恵美
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記者コラム「多事奏論」拡大版 田玉恵美

 その昔、同僚からこんな相談を受けた。ある作家から新聞に載せる原稿を受け取って校正作業をしたところ、実在の企業に関する記述に小さな間違いがあった。修正を提案したら、こう言われたという。「スポンサーに気を使うのはやめましょうよ」

 同僚は単に原稿には正確を期したいと考えたのだが、先方は「朝日が広告主に忖度(そんたく)し、表現に手を入れようとしてきた」と感じたようだった。私たちはその企業が朝日新聞の広告主なのかどうか気にしたことがなかったので、予想外の反応に驚いた。

 「スポンサーの圧力」に世間はかくも敏感なのだと改めて実感したのだが、その力に期待する場面もあるからややこしい。

 TBSで生放送している情報番組「ひるおび!」に日本共産党が抗議する事態が先月起きた。出演者の弁護士が「共産党はまだ暴力的な革命を党の要綱として廃止していない」と事実と異なる発言をしたためだ。次の放送でアナウンサーが訂正・謝罪したが、本人の釈明がさらに批判を呼び、後日改めて謝罪した。

 問題はさらに飛び火する。この間に番組のスポンサーであるキユーピーが自社CMの放送を取りやめた。これが一部で報じられると、いい加減な放送をした番組から手を引いたのは英断だとたたえる声や、同社と共産党との関係を勘ぐる声など、さまざまな意見や臆測がネット上で飛び交った。実際には、どんな考えにもとづく判断だったのか。

 キユーピーに聞くと「諸般の…

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