「強制不妊手術」の独自救済の条例案が廃案 明石市長は再提案の考え

天野剛志
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 旧優生保護法の下で障害などを理由に不妊や中絶の手術を強いられた市民とその配偶者に各300万円を支給する兵庫県明石市の条例案をめぐり、市議会は13日、市の修正案を本会議に上程しないことを決めた。同条例案は今議会で不成立となったが、泉房穂市長は今後も成立を目指す考えを明らかにした。

 同条例案は、国の一時金支給法の対象外である中絶手術を受けた人や配偶者も支援する内容で、今議会に提案。泉市長が「国の対応は不備があり、市としてできることをしたい」と説明していた。しかし、市議からは「本来は国の問題で裁判でも係争中。なぜ明石市民の税金を使うのか」などと異論も根強く、9月29日の本会議で賛成少数で否決。市が30日に修正案を出していた。

 全国都道府県議会議長会や全国市議会議長会の標準会議規則によると、議会で議決されたことは同一会期中は再び提出できない「一事不再議」の原則があるため、市側が否決の翌日に修正案を出すのは異例。

 泉市長は「修正をしているので提出は可能だ」と訴えたが、修正は支援対象の定義の一部などにとどまり、この日の議会運営委員会では「内容は大きく変わらず議会軽視」「第三者の検討会の設置などプロセスを丁寧に踏んで」などの声が続出し、修正案を本会議に上程しないことを全会一致で決めた。

 泉市長は取材に「プロセスはきちんと踏んでいるが、内容も含め、議会の声を聞きながら賛同を得られるようにする。議会軽視のつもりは全くない」と話した。(天野剛志)