CO2を大気から回収 成否のカギはドライアイス 子会社出向が転機

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内藤尚志
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 地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を、大気中から回収する研究が加速している。東邦ガスが名古屋大などと組んで開発を進めているのが、ドライアイスを活用した新しい手法だ。挑戦のきっかけは、ベテラン社員の子会社への出向だった。

 大気中のCO2の回収はダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)と呼ばれ、欧米で開発が先行する。特殊な膜や液体でCO2を集める。

 東邦ガスの研究員は「課題は効率化だ」と話す。膜や液体に通すために空気の流れを変えたり、液体からCO2をとり出したりするときに、エネルギーが要る。それをまかなうために化石燃料を燃やせば、CO2がまた出てしまう。新たなエネルギーの利用をいかに抑えるかが、成否のカギを握る。

 東邦ガスの新手法では液体にCO2を吸収させる。その後、通常なら液体を加熱してCO2を分離させるが、熱を出すにはエネルギーが必要だ。そこでドライアイスを活用する。

 冷凍食品の保存などでおなじみのドライアイスは、CO2を凍らせたものだ。容器内にCO2を吸収させた液体と気体のCO2を入れ、気体を冷やしてドライアイスに変える。すると容器内の圧力が下がり、加熱なしで液体からCO2が分離されるという。

 ポイントは、ドライアイス化のために新たなエネルギーをつくる必要がないことだ。東邦ガスが家庭などに供給する都市ガスの原料は、海外産の液化天然ガス(LNG)。日本にはマイナス約160度の液体の状態で届き、海水で温めて気体に戻している。このときに利用した海水が冷やされる力は「冷熱」と呼ばれ、一部を発電などに使っている。だが7割は利用されていない。これを使ってCO2を冷やしてドライアイスにする、というわけだ。

 開発のきっかけは2018年…

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