いじめ認知件数減少、コロナも要因 小中不登校は増加 道内公立学校

芳垣文子
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 北海道教育委員会は13日、2020年度の公立学校でのいじめ認知件数不登校などについての調査結果を公表した。いじめ認知件数は1万9145件で、前年度に比べて3429件減った。減少は13年度以降では初めて。新型コロナウイルスの影響で児童生徒同士のかかわりが減ったことが要因の一つとみられる。一方、小中学校の不登校児童生徒数は前年度より1300人余り増加し、過去最多だった。

 文部科学省の全国調査の一環で、札幌市を含む道内の公立小中高校、特別支援学校計1880校の児童生徒約45万3400人を対象に調べた。

 いじめの認知件数は、小学校1万5824件(前年度比2701件減)、中学校2686件(同523件減)、高校572件(同177件減)、特別支援学校63件(同28件減)。全体では1万9145件で前年度比3429件減。児童生徒千人当たりの認知件数は42・2件で、前年度に比べ6・7件減った。

 減少要因の一つとして道育委はコロナの影響を挙げる。「感染防止のため子ども同士が距離を取り、活動も制限され、互いのかかわりが少なくなったことが考えられる」という。ただ、逆にいじめの認知や見逃しにつながる懸念もあり、よりきめ細かい見守りを続けていく方針だ。

 どんな形でのいじめであったかの複数回答では、小中高校、特別支援学校とも「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われたりする」が6~7割を占め最も多かった。

 「パソコンや携帯電話で誹謗(ひぼう)・中傷や嫌なことをされる」は小学校では全体の1・9%(8位)と少ないが、中学校は10・8%(4位)、高校は16・6%(2位)、特別支援学校は25・4%(2位)と割合が高くなる傾向が見られた。

 東京都町田市では配布されたタブレット端末がいじめに悪用された疑いが指摘された。道教委はどの学校でも起こりうるとして、9月末に市町村教委を通じ、パスワード管理の徹底などいじめ対応の通知を出した。

 また、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」(児童生徒の命や金銭などに重大な被害が起きた疑いが認められるなど)は、国公私立計11件あった。

 小中学校の不登校件数は増えている。小学校は2696人で児童1千人当たり11・5人(前年度比710人増、3・2人増)、中学校は6177人と51・6人(同619人増、5・8人増)、高校は798人と8・9人(同52人減、0・2人減)。小中学校の児童生徒1千人当たりの不登校は25・0人。国公私立全体では24・8人で、全国の20・5人よりも高い。

 今回はコロナの感染回避を理由にした長期欠席も調べた。小学校で641人(1千人当たり2・7人)、中学校267人(同2・2人)、高校693人(同7・7人)だった。(芳垣文子)

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 井門正美・北海道文教大学教授(教育学)の話

 いじめ認知件数はコロナの影響もあり減ったとみられるが、小中学校の不登校が増えているのが非常に気にかかる。北海道の国公私立全体の千人当たりの人数は全国に比べ、小学校はやや多い程度だが、中学校では10人近く多い。中学では校則や部活などで学校生活が画一的になりがちでなじめない生徒もおり、「中1ギャップ」の問題が透けて見える。学校現場は、学校の当たり前を問い直し、より一層、個性の伸長、多様性の重視を推進する必要がある。

 いじめの態様では、パソコンやスマートフォンなどを使った誹謗(ひぼう)中傷の割合が年齢の上昇と共に高くなっている。GIGAスクール構想が始まり、児童生徒が端末を使う機会が増えているが、メディアリテラシー教育を強化し、ネット上での匿名による発言・書き込みなどの問題点についてしっかり指導することが大切だ。