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止まらぬ人口減、縮む過疎地医療 それでも…町長「この道しかない」

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編集委員・伊藤智章
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 12日午前。山あいの小さな集落に、久しぶりに笑い声が響いた。

 静岡県境にほど近い愛知県豊根村の富山(とみやま)地区。2019年末に廃止された富山診療所は、佐久間ダムのほとりにたつ。この日は、2週に1度の巡回診療の日。約30キロ離れた豊根村診療所から医師らが訪れる。

 1時間だけの診療に、お年寄りたちが集まった。築50年余り。会話は外へ筒抜けだ。少し耳が遠い田辺サキエさん(87)。待合室で小学校の同級生男性(86)を見つけ、大声で戦争時代の思い出話を始めた。

 X線撮影などの機材もない。慢性疾患の人たちの健康チェックや薬の受け渡しが主で、田辺さんは睡眠剤などを受け取った。

 「それでも意義は大きいはず…

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