川内原発40年超の運転に向け特別点検へ 九州電力

[PR]

 九州電力は14日、川内原発鹿児島県薩摩川内市)で原子炉の劣化などを調べる「特別点検」を実施すると発表した。40年を超えて原発を運転するのに必要な手続きで、老朽化の状態を確認した上で運転延長申請の可否を判断する。川内1号機は今月18日から、2号機は来年2月下旬から特別点検を実施する。

 川内原発1号機は2024年7月、2号機は25年11月に運転開始から40年を迎える。東京電力福島第一原発事故後の法改正で、原発の運転期間は原則40年となり、原子力規制委員会が認めた場合には20年間の運転延長ができる。

 九電によると、特別点検では、原子炉容器の異常の有無や原子炉建屋のコンクリート壁の劣化状況を調べる。半年ほどかけてデータを分析し、必要に応じて補修するという。担当者は延長申請を決めていないとしたうえで、「カーボンニュートラル温室効果ガスの実質排出ゼロ)を実現するため、原発を最大限活用する選択肢のひとつとして運転延長を見据えて特別点検を始める」と説明した。

地元の知事、市長の受け止めは……

 鹿児島県の塩田康一知事は報道陣に「運転期間の延長申請を見据えて、(川内原発の安全性を検証する)専門委員会での対応の準備を進める。委員会で科学的、技術的な検証をした上で、必要な意見を事業者と国に申し上げる」と述べた。運転延長への賛否を問われると「賛否というのは特段ない」と答えた。

 昨年の知事選で「委員会に原子力政策に批判的な学識経験者を入れる」と公約しており、年内に委員構成を見直す見通しを示した。

 薩摩川内市の田中良二市長は、原子力の調査・研究を行う部会を近く庁内に設置し、原発関連の政策を決めていく考えを示した。

 九電は、東日本大震災後に停止した原発の再稼働を全国に先駆けて進めた。川内原発で昨年完成させたテロ対策施設に約2400億円を投じるなど安全対策のコストがかさんでおり、40年超の運転延長に向けた検討を進めていた。

 40年を超えた運転については、関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)と美浜原発3号機(同県美浜町)、日本原子力発電東海第二原発茨城県東海村)が規制委で認められている。今年6月には美浜3号機が、原発の運転を原則40年とするルールができて以降、全国で初めて40年を超えて動いた。