自家発電あるのに台風で営業せず…国補助の14給油所 会計検査院

後藤遼太
[PR]

 災害による停電時にも給油できるよう国が整備を進めた自家発電機設置型ガソリンスタンドについて、会計検査院が調べたところ、5県の14カ所が台風での停電時に営業していなかったことがわかった。検査院は14日、資源エネルギー庁に対し、災害時に営業する重要性を各地のスタンドに周知するよう改善を求めた。

 2016年の熊本地震では、停電で多くのガソリンスタンドが営業を停止し、一部店舗に行列ができた。こうした事態を受け、国は自家発電機を使って給油できる「住民拠点サービスステーション(SS)」の整備を推進。発電機の購入を全額補助し、約302億円をかけて20年度までに全国約2万9千カ所のうち約1万4千カ所を住民拠点SSにした。

 同庁はガイドラインで、営業困難な事情がない限り災害時に営業することを求めるとともに、営業場所を住民が把握できるよう、約4600万円をかけて災害情報システムを整備した。

 検査院は17~19年に地震や台風で長時間停電した9道府県の345カ所を調査。この結果、台風で停電が起きた千葉、和歌山、長崎、鹿児島、沖縄の5県の14カ所が、設備の損傷や従業員のけがといった事情がないのに、停電中に営業をしていなかった。

 この14カ所の発電機設置で国が補助したのは計約3200万円。検査院は「整備した効果がほとんど発現していなかった」と指摘した。一方、18年の北海道胆振東部地震で停電した243カ所は営業していた。

 検査院は災害情報システムの利用状況も調べたところ、17~19年に発生した大規模停電を伴う台風計5回のうち4回で、営業状況が公開されていなかった。システムに登録する店舗のデータ更新も遅れており、廃止など反映されない古いデータのまま半年以上たっていた店舗が65カ所あった。

 検査院は「今後も大規模停電を伴う自然災害が発生する可能性があり、営業状況の効果的な公表は重要だ」と指摘。資源エネルギー庁は「指摘内容を確認した上で、適切に対処したい」とした。(後藤遼太)