一力遼の勝負の決め方 井山裕太の粘り断ち切る 囲碁名人戦第5局

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大出公二
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 碁の達人は、優勢の碁をいかに勝ちに結びつけるかに最も腐心するという。第46期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催、協賛・株式会社 明治、マニフレックス)、天王山の第5局。優勢の挑戦者は、一見リスクの高い手を放った。しかし手が進むごとに、それが勝利への近道であることが明らかになっていった。

写真・図版
対局中の井山裕太名人(右)と一力遼挑戦者=2021年10月13日午後、甲府市の常磐ホテル、迫和義撮影

 先に陣地を稼ぎまくり、先行逃げ切りを図る井山裕太名人。目に見える陣地は少ないものの、堅牢な石の構えをバックに相手の弱石を攻め立て、成果を得んとする一力遼挑戦者。中盤、挑戦者の攻めが功を奏し、優勢を築きつつあると検討陣は見ていた。

 しかし勝利のゴールテープを切るには、それからがたいへんだ。劣勢な側はあらゆる手を尽くして粘り、局面の混迷化を画策する。優勢な側が安全策を採り、気がつけば抜き差しならない局面に陥っていることはままある。

 〈実戦図1〉右辺から下辺に…

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