記者を暴行、脅迫、出勤停止… タリバン支配2カ月、言論の危機

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バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンがガニ政権を崩壊させ、権力を握ってから、15日で2カ月となる。タリバンは報道の自由をうたうが、実際には嫌がらせを受けた報道機関の休業や記者の拘束が相次いでいる。タリバンによる支配への抗議や弱い立場にある女性の声は、ますます届きにくくなっている。

 政権崩壊直前の8月中旬、東部ジャララバードのテレビ局「エニカスTV」でショクルラ・パスン記者(43)は番組の準備をしていた。そこに突然、タリバンの戦闘員らが現れた。戦闘員は「メディアは外国勢力の差し金だ」とののしり、局内を見回した後、取材車両3台を奪って帰ったという。

 激戦地で取材するエニカスTVは、2018年に経営者が一時誘拐され、今年3月には女性局員3人が帰宅中に射殺されるなど繰り返し武装勢力の標的にされてきた。「市民と政治をつなぐ橋になる」ことを目標に報道を続けたが、タリバンの復権は記者たちを動揺させた。経営陣が国外脱出し、局の閉鎖が決まった。

 閉鎖前から、パスン記者の携帯電話には不審な着信があったという。「タリバンはメディアを萎縮させ、批判を封じ込めている。市民の声を代弁する批判こそが政治を鍛える土台となることを理解していない」と憤る。現在は東部の自宅を離れ、親戚宅を転々として暮らす。

 現地のジャーナリスト保護団体の調査によると、この2カ月間で国内の報道機関の約7割が休業したという。地元テレビは、政権崩壊から1カ月ほどで休業した活字メディアが153社に上ったと伝えた。米国の制裁などで経済がまひし、広告収入の減少で、記者に給料が払えないことも一因となっている。

 特に苦しんでいるのはタリバ…

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