衆院選立候補予定者に公開質問状 水俣病不知火患者会

2021衆院選自民共産立憲

奥正光
[PR]

 水俣病被害者団体「水俣病不知火患者会」は13日、熊本県水俣市で記者会見を開き、衆院選(19日公示、31日投開票)の県内4選挙区の立候補予定者らから寄せられた公開質問状の回答を発表した。水俣病の公式確認から65年たった今も訴訟が続く現状を踏まえ、解決に向けた取り組みの必要性などを問うた。

 質問状は、不知火患者会とノーモア・ミナマタ被害者・弁護団全国連絡会議が9月13日付で、熊本、鹿児島両県内選挙区の立候補予定者と比例九州ブロックに候補者を立てる予定の各党に郵送。①水俣病問題の解決に向けた国政を挙げての取り組み②現行の患者認定制度以外の救済枠組み③健康調査――など五つの質問について、9月末までに両県内選挙区の立候補予定者8人と9政党が回答した。

 水俣病被害者救済法(特措法)の救済対象地域となった不知火海沿岸部を含む熊本4区では、自民前職の金子恭之氏と立憲前職の矢上雅義氏が、いずれも①の取り組みについて「必要」と回答した。

 金子氏は「認定の申請をされた方への迅速な結果の通知や水俣・芦北地域における医療や福祉の充実・地域の振興など、水俣病問題の解決に向けた取り組みを着実に進めていくことが必要である」と記述。矢上氏は「1995年の政治決着に国会議員の立場で働いた者として、すべての水俣病被害者の救済は私に与えられた使命としてやり遂げる」と答えた。

 2人の見解が分かれたのは②。現行の認定制度以外の救済枠組みを「不要」とした金子氏は「現行の認定制度についても、様々な御意見があるものとうかがっていますが、現時点においては、これを改めるべき状況にはない」と答えた。矢上氏は「必要」とし、「現行認定制度では救済ができないのであれば、それ以外の枠組みも検討すべきである」と答えた。

 熊本2区の共産新顔、橋田芳昭氏は③の健康調査について「水俣病問題の真の解決は、『汚染と被害の全容解明、実態解明』無しには不可能」と指摘し、「国の責任による不知火海沿岸全住民の健康調査を求めます」と答えた。熊本3区の社民新顔、馬場功世氏は②について「そもそも加害責任を負っている国や熊本県が被害者を選別する制度自体に限界があるのではないでしょうか」と答えた。

 熊本1~3区の他の立候補予定者計6人は回答していない。

 不知火患者会は約6千人の会員に回答を郵送して伝える予定。元島市朗事務局長は会見で、「水俣病問題は国政できちっと議論すべき問題であるという共通認識があるので、どう解決するのか国民的な議論をしていきたい。解決に向けた努力を一緒にしていきたい」と述べた。(奥正光)

2021衆院選

2021衆院選

ニュースや連載、候補者の政策への考え方など選挙情報を多角的にお伝えします。[記事一覧へ]