自民・河村氏引退「時の流れか」 支持者ら不信感「私情交えた内紛」

2021衆院選自民

中川壮、太田原奈都乃、高橋豪
[PR]

 衆院が解散された14日、山口3区で当選10回の河村建夫官房長官(78)が、次期衆院選に立候補せず引退する意向を固めた。参院からくら替え立候補の準備を進める林芳正元文部科学相(60)との保守分裂選挙は公示直前で回避された形だが、選挙区内の支持者からは惜しむ声や公認争いに対する不信の声が上がった。

 河村氏は山口県議を経て、故・田中龍夫氏の後継として1990年の衆院選で初当選した。小泉政権の2003年から文科相、麻生政権の08年から官房長官を務めた。

 「残念。もう1期やってほしかったが、先生の決断を受け入れて納得している」。河村氏を20年以上支援し、「優しいお父さん」のような存在だと慕う萩市の男性(49)は引退を惜しんだ。「長い間おつかれさまでしたという言葉しかない」

 田中氏と河村氏を約50年支持してきたという宇部市の70代男性は「本人は断腸の思いだったと思うが、時の流れか」と寂しがった。河村氏を「人の話をよく聞き、我を通すことはない。よくやりましたよ」と評価する。これまで参院選では林氏を支援してきたが、「選挙運動はもうまっぴら。今後は一有権者として見守る」と話し、活動にも区切りをつけるつもりだ。

 林氏を3区の公認にするよう党本部に申請している自民党山口県連の友田有(たもつ)幹事長は「報道でしか聞いておらず、まだ党本部から何も届いていない」として明言を避けた。

 県議の一人は「地元の声が党本部に届いた」と、林氏の公認に弾みがつくことを歓迎した。「自民公認がいないのもおかしいので、残り一人に公認をあげなきゃしかたない。我々も頑張れる」。公明党はこの日、林氏を推薦すると発表した。

 河村氏を支持してきた宇部市の女性は「地元でも国政でも、見えないところで汗をかいた政治家。熱心に取り組んだ文教政策をはじめ、献身的な活動に感謝したい。とにかく残念」と声を落とした。

 一方、3区の公認争いについては「これまでの功績に敬意を払わない私情を交えた内紛だ」と不信感を募らせる。「自民党は『多様性のある社会を』と言いながら、高齢だから世代交代、定年制と言うのは間違いだ。県連も党本部も、自民党のあるべき姿ではない。これでは支持層が離れていく」と疑問視した。(中川壮、太田原奈都乃、高橋豪)

2021衆院選

2021衆院選

ニュースや連載、候補者の政策への考え方など選挙情報を多角的にお伝えします。[記事一覧へ]