原爆文学資料を「世界の記憶」申請へ、峠三吉の直筆草稿など 広島市

福冨旅史
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 広島市と市民団体「広島文学資料保全の会」は14日、原爆詩人・峠三吉(1917~53)ら3人が書いた原爆文学資料について、ユネスコ国連教育科学文化機関)の「世界の記憶」(旧・世界記憶遺産)への登録をめざして文部科学省に申請書を提出すると発表した。国内選考を経て2022~23年度に最終決定される。選ばれれば国内で8件目となる。

 文学資料は「にんげんをかえせ」の序文で知られる峠の「原爆詩集」の直筆最終草稿▽詩人・栗原貞子(1913~2005)の詩「生ましめんかな」などを書いたノート▽作家・原民喜(1905~51)が被爆当日の様子を記したメモ――などの計5点。

 2015年に初めて申請したが、国内選考で落選。今回は新たに峠の被爆時の日記とメモを追加した。カナダ在住の被爆者サーロー節子さん(89)や、17年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の創設者の一人ティルマン・ラフさんなど、国内外から264人の賛同人が集まり、再挑戦する。この日会見した原民喜のおいの原時彦(ときひこ)さん(87)は「物語を通して世界中の人が広島の状況を知ることが、核廃絶への効果になると思う」と話した。

 世界の記憶は1992年に始まって以来、400件以上が登録されている。(福冨旅史)