伴侶を失った悲嘆、息子と形が違って当然

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それぞれの最終楽章・読者から(2)

■多田野ミツヨさん(75)=広島市

 「お父さんは死んだんだよ」

 電話越しの一人息子(50)の声は、この言葉を最後に途切れました。当時、夫を失ってまもない私は猛烈な喪失感と悲嘆に暮れて、「あの人はどこへ行ってしまったの? 声が聞こえない、姿も見えない!」との思いをぶつけていたのです。なのに、息子は耳を傾けてくれない。それまでも何度かメールで訴えたのですが、返事はありませんでした。

 夫が他界したのは2019年9月、78歳でした。悪性リンパ腫で約10年間闘病した末の18年4月、希少がん「メルケル細胞がん」が見つかったんです。顔に出来たがんは手術や抗がん剤、放射線などのあらゆる治療のかいもなく、坂道を転げ落ちるように悪化しました。自宅療養や緩和病棟への入院手続きなど目まぐるしい闘病の日々を、名古屋在住の息子が全力でサポートしてくれました。

 私の前では痩せた肩を震わせ…

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